日本の自動車産業、厳しそう

アメリカ大統領選は事前の予想通りバイデンが勝ちました。それ自体はうれしいことなのですが、これで日本の自動車業界はいよいよ厳しい状況に追い込まれてます。自動車産業は雇用者数も多いし、文字通り日本を支える基幹産業です。その産業が、どう見てもヤバい状況に追い込まれています。

 

今年10月、カリフォルニア州2035年でのエンジン車販売禁止条例をぶち上げました。 カリフォルニア州が独自の排ガス規制を設けることについて州と連邦の間で裁判が行われていたのですが、環境問題に積極的なバイデンが大統領になると裁判自体が取り消されると言われています。そして、ニューヨークやニュージャージーなどの全米の青い州が似たような条例を制定することになります。

アメリカだけじゃないです。ノルウェーではすでに新車販売の7割が電気自動車で、2025年にはエンジン車の販売が禁止されます。2030年にはドイツやスウェーデンやオランダが続きます。2035年にはイギリスと全米の多くの州でエンジン車の販売は禁止されます。

エンジン(内燃機関)に未来はない。これが世界の潮流から見える事実です。

 

電気自動車市場を主導してるのはもちろんテスラです。テスラだけがすごい電気自動車、という状況ならまだ勝算はありました。でも現状は違います。欧米の既存自動車メーカーはこの状況に合わせて、電気自動車にものすごい額の投資をしています。ドイツのフォルクスワーゲンは電気自動車専用のプラットフォームを作り、欧州や米国で販売を伸ばしてます。欧州ではIBMプジョーも電気自動車を拡充しています。アメリカでも、GMやフォードがテスラに追いつくために、そして規制に対応するために電気自動車に投資して車種を拡充しています。

日系以外のあらゆる自動車メーカーが、電気自動車時代の覇権を取ろうと投資しまくっています。その結果として電気自動車も安くなってます。1000万円オーバーのモデルXから、500万円で買えるモデル3が出るまで4年でした。そしてテスラは3年以内に、25000USD(260万円)の電気自動車を発売すると言ってます。欧米メーカーも、テスラと張り合える値段のモデルを出しています。

その流れに日系メーカーはこの流れに完全に遅れています。個別企業への評価は置いときますが(日産は頑張ってる感があります)、2020年Q3で電気自動車の世界市場トップ10から日系メーカーが消えました。電気自動車にさらなる投資をしよう、意欲もありません。むしろ電気自動車時代に抵抗している感すらあります。これは厳しい。

 

正直、いい未来が全く浮かびません。ただ、自動車産業は規模が大きすぎるだけに、崩壊したときの影響は桁違いです。その影響は、すでに滅びたケータイやカメラやPC、これから滅びる化石燃料や火力発電の比じゃないです。

それは日本で生活するうえでも、仕事上で日本と関係があるだけでも、非常に大きなリスクになります。そのリスクだけは認識しておいてもいいかと思います。

 

cleantechnica.com

maonline.jp