自動車業界

なんの義理もないけど、自動車業界について考えてみます。
とりあえず、ブッシュはこのまま潰さずに任期を終えるつもりみたいですね。「オバマへ。あとはよろしく」
さて。自動車業界を考える上で一番不思議なのは、なんで自動車だけ“未だに”アメリカに工場があるのか、ということに尽きます。PCもテレビも家電も、もうアメリカに大きな工場はありません。アメリカで設計して、台湾の工場で作ってます。それも、どの会社もA社のCPUとB社のメモリとC社のHDDを組み合わせて作る、というやり方なんですよ。で、A社とI社のCPUで性能のいいほうを採用する、とかやってるわけですよ。ドアを専門に作ってる子会社から買う、というモデルとは完全に別のモデルです。でもこれが儲かるモデルってことなんじゃねーの? 何で自動車業界は“未だに”“アメリカの”工場を潰すの潰さないのでごちゃごちゃ言ってるんでしょうか。
もう一点。北米に限らず先進国市場において、自動車は圧倒的に供給過多なのではないでしょうか。トヨタの売り上げがものすごく下がってますけど、これまで借金と投資利益で支えられてきた北米市場の売り上げが大きかったわけだから、あたりまえだよね。みんながいっせいに、今まで3年で買い換えてたのを6年にしたら需要は半分になるし、実際にそういう事態が進行しているんでしょう。そんな状況で、トヨタクライスラーもこれまでと同じ数を売ろうと思っても無理です。もう生産性とかカイゼンとかでなんとかなるものじゃないです。インドやブラジルといった新興国では需要があるだろうけど、そこで30万円の自動車と競合するクルマは、GMが売りたい車とはぜんぜん違うだろうし。こっちの方面から考えるとつらい感じだなぁ。
個人的に、ビッグスリーがいっせいにPCと同じ製造モデル(水平分業モデルと言うらしいです)を採用する可能性はそれなりにあると思います。あの国は一度行き詰ると根本的なところから改革するので。そうすると何が起こるか。DELLみたいに、組み合わせでカスタムをしつつ安い自動車を作る、ということが可能になります。そうなったときに、多数の下請けを抱える、水平分業モデルとは真逆のシステムを採用する日本メーカーはどうなるのか。
先行きは明るいとは言いがたい感じだね。