倉知淳「シュークリーム・パニック」

それぞれ3篇ずつ収録の短編集になります。なかなか楽しいです。「Wクリーム」のほうがよかったかな。ほとんどの短編が日常の謎を扱っているわけですが、脱力するような話ばかりです。本当に落語っぽいよね。
特筆すべきは「Wクリーム」収録の「限定販売特性農耕プレミアムシュークリーム事件」でしょう。メタボ克服のための断食合宿で、胡散臭いインストラクターが隠し持っていたコンビニのシュークリームを食べたのは誰だ。という430円のシュークリームを巡る陸の孤島での消失事件に、メタボ界のホームズが謎に挑む!。どうしようもなくショボイ事件に、しょうもない舞台設定、へんてこな登場人物、ポカーンな真相。楽しいからいいけど。(倉知淳の)日常の謎ここに極まれりって感じです。
楽しいだけの小説なんで、息抜きにちょうどいいと思います。作中に全く登場しない謎の女子高生を表紙にもってくるのはどうかと思います。