ゲームの理論

でも日本の職場環境は、残念ながら改善はされないと思います。顧客も経営者も期待値を下げればいい、言葉で言うと簡単ですが、実現は難しいです。理由は、一言で言うなら現状がナッシュ均衡になっているから。
もうちょっと詳しく説明するか。すごく単純化して社員Aと社員Bがいるとして、それぞれ1,(給料安いけど)がんばって働く、2,(給料安いから)適当に働くという選択肢があるとしましょう。現状ではAもBも1を選んでる状況で、二人とも100の利得があるとします。(Aの選択、Bの選択)であらわすと(1,1)です。二人とも同時に適当に働く(2,2)ようになれば、仕事が楽になって200の利得があるとしましょう。でもAががんばっている中でBだけが適当に働けば(1,2)、Aの利得は変わらずBは出世競争に敗れリストラ候補となります。なのでBだけが一人でさぼるわけにはいきません。かくしてA,Bともに安い給料で一生懸命働くのでした。これが日本のあらゆる職場で起こっていることです。もちろん、物凄く単純化されてはいますが。
どうすればみんなが給料に合わない過剰労働を拒否する選択を選ぶのか、正直なにも思いつきません。「みんな死ぬしかないじゃない!」というわけです。しゃれになってねぇです。でもルールの違う海外に逃げる以外の手はあるんでしょうか。
遠く異国の地から、日本がもっと他人に寛容で住みやすい国になることを祈りながら、筆を置くことにします。