若竹七海「依頼人は死んだ」

依頼人は死んだ (文春文庫)

パートタイム探偵な葉村晶の活躍する短編集。
やっぱり葉村晶姐さんはカッコええなぁヽ(´ー`)ノ。事件も、被害者も加害者も、自分にすらも冷ややかで客観的な視点を持ちながら、一度やると決めた調査は徹底してやる。物凄くドロドロした真相が予見されて憂鬱な結末が見えても決して手は抜かない、自分のミスや責任を他者に押し付けることはしない、みたいなハードボイルドな姿勢に好感が持てます。
どの話も面白いのですが、やはり自殺の原因を探る「詩人の死」と「わたしの調査に手加減は無い」の後味の悪さは特筆すべきでしょう。ほろ苦いとかそういう甘っちょろい形容詞を超越したやるせない真相がたまらないｗ 構成で魅せる「女探偵の夏休み」も面白かったです。