若竹七海「さよならの手口」

さよならの手口 (文春文庫)

さよならの手口 (文春文庫)

依頼人は死んだ」「悪いうさぎ」に続くハードボイルド女探偵・葉村晶ねえさんが酷い目にあうシリーズです。
40代に突入し探偵家業を辞めた葉村晶ねえさんの元に、末期がんで先がない元大女優から行方不明になった娘を探して欲しいという依頼が舞い込む。単純な依頼だと思って操作を進めると、次第に複雑で醜悪な現実があらわになり葉村晶ねえさんに襲い掛かってくる・・・。という作品です。
ほろ苦いとかいう形容が甘っちょろく感じるような醜悪かつ辛辣な真相と巧みな構成がいいですね。酷い目にあっても泣き言も言わずにときに笑い飛ばしながら調査を続行する葉村晶ねえさんが40代なのに相変わらずカッコいいです。
でも、40代って完全にとうが立ってますね。なんだろう、完全に枯れてるような・・・。時の流れって残酷ですね。