where is the truth?

「これあげるわ」
甘い匂いのする箱をテーブルに置きながら、彼女は言った。ぼくは、どういった顔で彼女をながめればいいのだろうかわからなかった。「開けてみて」の言葉に甘えて、ふたを開ける。
「えーと、バースデーケーキ、というやつなのかな」
中には、小さなショートケーキとチーズケーキ、いちごババロアが入っている。
「当たり前じゃない。自分の誕生日も忘れちゃった?」
忘れてた。ここ数年の自分の誕生日は、気づいたら過ぎていて後から気づくものだった。まあいい年した男の誕生日なんてそんなものだろう。それよりも、クールで通っている彼女がこういうイベントを気にするとは思わなかった。それにしても、なぜケーキは3つあるのでしょう?
「2つ買ったら、1つおまけしてくれたの」
さいで。
「えーと、ありがとうございます。お茶でも入れようか」

やかんを火にかけテーブルに戻ると、彼女は難しい顔をしてケーキを覗いてる。怒ったような顔と、不釣り合いに目立つ楽しそうな目は、彼女が悪だくみを思いついた時の表情だった。それにしても、今回はなんだろう。警戒しながら、ぼくは、彼女の向かいに腰を下ろす。
「ちょっと面白いこと思いついちゃった。ね、ちょっとゲームしてみない」
「とりあえずルールを教えて」
「ちょっと複雑だから、まずはケーキが2つあると考えてみて。私たちはどちらも、できるだけ多くのケーキを食べたいと思ってます。2つのケーキは種類も大きさも同じだとします」
「実際は違うけどね」
「黙って聞いてて。でね、私がまず1つ目のケーキを切ります。2つ目も私が切ります。どんなふうに切ってもいいことしにて、1つ目のケーキを切ったタイミングで、あなたは1つ目のケーキを選ぶか、選択権を私に譲るか決めるの。1つ目か2つ目、どっちかのケーキをあなたが先に選んでもう片方を私が先に選ぶの」
ん?ちょっとよくわからないな。
「たとえば、私が1つめのケーキを半分に切ってあなたが先に選んだら、私は2こ目のケーキを大小に差をつけて切って大きいほうを食べる、あなたはそれを阻止するために1つ目のケーキの選択権を放棄する。そうすると、私は1つ目は大きいほうを食べて2つ目は半分に切ることになるわ」
「なるほど。その条件でぼくの利得を最大化する方法を考えればいいのか。ちょっと待って」
これならすぐ考えられそうだ。
えーと、1つ目にx:1-x(0