「サマー/タイム/トラベラー」

うーん、この作品との距離感を図れない最大の理由は、主人公の卓人が他人に思えないことに起因すると思うんですよね。なんだか、かつての自分をみているような・・・めんどくさいから箇条書きマジックを使おう。

  • 自分が頭がいい、少なくとも周囲の大人にそう見られてることを自覚してる
  • 頭がいい事と幸せに生きることに因果関係がないことも自覚してる
  • それが根拠のない自信に繋がっていて、その自信を失うことを恐れてる
  • 無駄に年を取った、あるいは若いというだけでなめてかかる大人全般への反発
  • 自分より処理速度の速い仲間に対する共感と反感
  • その仲間に「おまえ、自分以外のやつのこと、莫迦だと思ってるだろ」と言われたときの狼狽
  • 希望の持てない未来に大して絶望していて、先に進みたくない
  • それでも、先の知れた未来しか待ってないちんけな地方都市より、ここではないどこかへ旅立ちたい
  • そんな”ここではないどこか”がないことも薄々感じている

こんなもんでいいかな。全部この話の主人公、卓人の話ですよ(;゚ー゚)
生意気なクソガキである卓人に、感情移入なんて生易しいレベルじゃない共感を持ったからこそ、この話に距離を置けなかったんだろうなぁ。そう考えると、失われた未来に対して誤魔化しながら進んでいくラストは、俺が認めたくない未来像そのものなのかも・・・。
なんだか自分語りになってきたような気がするし、気づいたら500缶が4本目に突入してたのでこの辺で筆を折りましょう。物凄く面白い話だったけど、この本へのリンクはしません。今の俺が何を言っても説得力ないからねw