大月悠祐子「彼女たちの最終定理」

妄想少年観測少女」をさらに突き詰めたような作品で、一言で言うとめちゃくちゃエロいです。やっぱり大月悠祐子はセンスで勝負する短編気質な作家さんなんですね。ちょっと方向性が違うけど、タカハシマコに匹敵するセンスを感じます。
やりたい盛りの男子高校生の灰沢ミツ、美人教師の白峰先生、クラスのアイドル黒羽あげはの三人がくんずほぐれつするだけの話です。その様がやたらと妖艶に、淫靡に、背徳的に、耽美的に、退廃的に、やや後ろ暗く描写されています。ストーリーがわかりづらくてつかみどころがないこともあいまって、なんだか終わらない終わらない淫夢みたいです。これはすごい。
でもあまりに一点突破しすぎなような。「妄想少年観測少女」のほうがとっつきやすいんで、興味を持った人はそっちからいったほうがいいと思います。