宮内悠介「盤上の夜」

盤上の夜 (創元SF文庫)

盤上の夜 (創元SF文庫)

これは素晴らしい。めちゃくちゃ面白いです。
囲碁や将棋などの盤上ゲームを扱った短編集になります。四肢をなくしながらも勝ち続けた異形の天才碁打ち・由宇を扱った表題作「盤上の夜」、チェッカーというチェスを単純化したようなゲームにおいて人間の王として君臨し四十年以上無敗を誇ったチャンピオンと、ゲームを解析するコンピューターを開発した、そして後に数学的な完全解を発見しゲームそのものを葬った研究者のやり取りを描いた「人間の王」、近代麻雀あたりで漫画化したら面白そうな「清められた卓」の三作が特に気に入りました。最後を飾る「原爆の局」まで、卓上遊戯を巡る孤高の勝負師たちの生き様がありありと綴られています。これはいいものを読んだ。
やっぱり麻雀の話がいいですね。これまで読んだ麻雀小説で一番面白かったです。あんまり読んでないけど。