米澤穂信「折れた竜骨」

ファンタジー世界の中世ヨーロッパ、イングランド領の小さな島であるソロン島を舞台にしたミステリでした。ソロン島の領主が殺されて、殺した相手は暗黒魔術師に魔法で操られていた。でも誰が殺した?という話になります。
ファンタジー世界なので魔法とか呪いが自然に存在するのですが、そういうものとして飲み込んだ上でのミステリになります。魔法は存在するけど、もちろん謎は理論で解けます。最後に探偵役が関係者を集めて「さて、みなさん」という、ガチガチの本格ミステリです。なので世界設定としては、西澤保彦のSFミステリに近いです。しかし、ここまでガチな本格ミステリは久しぶりに読んだよ。
主人公にあたる領主の娘・アミーナとニコラのやり取りもよかったです。ミステリが好きなら読んで損はないです。