麻耶雄嵩「貴族探偵」

貴族探偵 (集英社文庫)

貴族探偵 (集英社文庫)

5編収録の短編集。ヘンテコ探偵ものでした。
警察の上層部へも顔が利く、貴族が探偵をする文字通りの短編集なのですが、この貴族探偵は推理をしないのです。びっくり。証拠集めや推理なんて低俗なことは使用人にやらせておけばいい。僕が所有する使用人を使って、事件を解決しよう。みたいな感じ。なので実際の推理は、メイドと運転手、執事になります。探偵が推理しないという意味では、名探偵木更津悠也と同じですね。こういうスタイルの探偵に何かこだわりがあるのでしょう。
各短編もトリックがよく練られていて十分に楽しめました。