芝村裕吏「この空のまもり」
- 作者: 芝村裕吏
- 出版社/メーカー: 早川書房
- 発売日: 2012/10/25
- メディア: Kindle版
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この書き出しだけでめっちゃくちゃ不穏な空気が漂いまくってますが、クソみたいな現実と比べるとだいぶまともな小説でした。ただ、ちょっとこのテーマでいくには理想論に流れすぎかな。作中で連呼される「愛国心」も、日本人も外国人も含めて日本で生活する人を大事にしようみたいな解釈でしたが、現実世界でこの言葉を連呼する連中から省みるにあまりにリベラルすぎる解釈かな、と。kの言葉を使う人はそう考えてないだろうし、そういう解釈をするような人は「愛国心」という言葉は使わないでしょ。
比較対象として適切かどうかは置いといて、山本弘「アイの物語」(→)のほうが好きですね。読んでる間に感じたことは近いけど、あっちのは理想に流れるんじゃなくてクソみたいな現実を認めた上で、物語の力で変えようとしてたので。