桜庭一樹「荒野 16歳 恋知らぬ猫のふり」

荒野 16歳 恋しらぬ猫のふり (文春文庫)

荒野 16歳 恋しらぬ猫のふり (文春文庫)

荒野の恋 第三部」は発売されてません。「荒野の恋」を読んでた人はこの巻だけ読めばいいかも。
山之内荒野、16歳。時は流れて、かつての自分と同じような中学生を子供に感じるようになり、少女のすごろくはものすごいスピードで女に向かって進んでいくのでした、という感じ。解説では「私の男」と対比する作品だとか書いてあるけど、あれは“少女”を経ずに子供から女になった女性の話だから、“少女”だけを書いた「荒野」とはだいぶ違う気がするのだが・・。
内容的に難しい部分はあるだろうけど、このシリーズをファミ通文庫で完結させられなかったというのは、ライトノベル史上に残る汚点になるような気がします。