桜庭一樹「荒野 14歳 勝ち猫負け猫」
- 作者: 桜庭一樹
- 出版社/メーカー: 文藝春秋
- 発売日: 2011/02/10
- メディア: 文庫
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「大人になる、少し前」の揺れ動く心を繊細な筆致でつづっていて、遠子先輩なら間違いなくかき氷に例えるだろう、透明で冷たさに近い繊細さをもった内面描写が素晴らしいです。尻尾を捕まえたと思った恋が、自分の周りで吹き荒れ時に自分に牙をむき、戸惑いながらなんとかやり過ごしていく。今の自分が思い描く理想の大人と現実に生きる大人たちの間に、やはり戸惑う。なんか、この巻の荒野は戸惑ってばかりです。
なんかもう、荒野が可愛すぎてあらぬ方向に筆が滑りそうですw