甲田学人「夜魔」

夜魔―怪 (メディアワークス文庫)

夜魔―怪 (メディアワークス文庫)

夜魔―奇 (電撃文庫)

夜魔―奇 (電撃文庫)

もともと一冊だった同名ハードカバーに、短編を加えて分冊した作品です。どちらも短編集なのですが、「怪」の方がクオリティが高かったかな。収録作の中では、書き下ろしの「桜下奇憚」(奇)と「接鬼奇憚」(怪)が特に気に入りました。一本の桜の木にまつわる怪異と狂気の話で、真っ暗な闇の中で白く美しい花を咲かせる桜の、怪しさと美しさを併せ持つ雰囲気がいい感じです。
あとこの人が書く視点人物が痛い話、特に自傷する部分は痛すぎてちょっと見てられないです。や、もちろん読むけどw この方面で比べたら、ホラー作家を含めて右に出る人はいないだろうな。