2009年の5冊(小説)

調子が出てきたので一気に行っちゃいます。今年文庫が出た作品の中から順位をつけずに選んでます。
新城カズマ15×24
“死”についての物語であり、いたるところでテンションの高い<24>であり、現時点でまったく終着点が見えないこの作品。今年中に完結するのにまだ半分しか読んでないけど、それでもここで取り上げないわけには行かないだけのテンションと面白さを持った作品だと思います。
・万条目学「鴨川ホルモー
股間の下の素敵なサムシングを往来で揺らしたり、くだらないことにプライドをかけて戦ったりする、どうしようもない学生生活が楽しい作品でした。どうでもいいけど、某作家の詭弁論部と本作の青龍会はどちらが不毛楽しい学生生活なんですかね?
恩田陸ネクロポリス
幻想的な雰囲気と世界観を書かせたら右に出るものはいないであろう恩田陸の、本気の幻想小説。相変わらずオチは微妙な気もしますが、完璧に構築された耽美的な世界観には圧倒されます。
有川浩「海の底」
日本の自衛隊基地を怪獣が襲ったらどうなるかという社会派実験小説でありながら、閉じ込められた自衛官と子どもたちの交流を描いた子守小説でもあり、同時に不器用な恋愛小説でもあるすばらしい作品でした。
山本弘「アイの物語」
設定としてはロボットSFなのですが、AIの主張の法が人間より正しいという、というか僕らは何か間違っているのではないかという思いにすらとらわれるすさまじい話でした。人間と社会に対する失望と、そんな現状をフィクションの力で変えようという真摯な思いが伝わってきました。今年のベスト。


こんな感じかな。読んだ作品はちょっと減ったような気がします。(´-`).。oO(今年はあと一週間くらいあるけどな)