伊坂幸太郎「終末のフール」

終末のフール (集英社文庫)

五年前、地球に小惑星が落ちてくることがわかってから始まったパニックは、ここにきて小康状態に落ち着いていた。実際に隕石が落ちてくる三年後まで、人々はそれぞれの時間を思い思いに過ごしていた。みたいな話。
地球と人生の終焉まで三年の猶予を与えられて、復讐を決意したり家出してたり優柔不断だったりするどこにでもいそうな人を主人公に据えた話はほぼ全員がそれなりに前向きで、さわやかな読後感になってます。おしゃれでいいお話で、絶賛するほどじゃない*1けど普通に面白かったです。
武田幸三をモデルにしたという「鋼鉄のウール」が一番良かったかな。

*1:伊坂幸太郎にはもっと面白い作品があります