若竹七海「バベル島」

バベル島 (光文社文庫)

バベル島 (光文社文庫)

作品に仕込む毒と読後感の悪さに定評のある若竹七海の、ホラーよりの短篇集。11編収録。解説でも触れてるけど、サイコホラー系と怪談系が半々くらいで入ってます。もともと日常の謎の皮をかぶったサイコホラーみたいな短編を結構な割合で書いてた人なので、やはりサイコホラー系の切れ味がいいですね。俺がサイコホラー系のほうが好き、という可能性も大きいけどw
どの作品も面白かったけど、気に入ったのは「人柱」「ステイ」「回来」表題作「バベル島」、ベストは「バベル島」かな。ミステリ趣向の強い「のぞき梅」「追いかけっこ」あたりもよかった。アベレージが高くてハズレな短編が一つもないのはさすがの一言だと思います。