2006年の5冊(小説)

今年文庫が出たもので面白かったものを順位をつけずに選んでみます。
米澤穂信さよなら妖精
異世界から来た少女とここではないどこかへの憧れ。自分ならできるという自信とどうにもならない過去への後悔。主人公に感情移入しながら読む等身大な青春小説の一つの到達点だと思います。
森見登美彦太陽の塔
対してこちらは非モテ文学の到達点w ダメ学生のだらだらした日常が、こんなにも楽しく読めるというのは驚きでした。登場人物の不器用さと自己正当化っぷりにシンパシーを感じずにはいられません。ええじゃないか。ええわけあるか。
大西科学「ジョン平とぼくと」
これもダメの系統の作品。主人公・重の理系的ダメさもさることながら、どんなシリアスな場面でもマイペースになごみ時空に変えるジョン平のダメかわいさがよかった。素晴らしい駄犬ですw 「ジョン平と去っていった猫」もおすすめ。
長谷敏司円環少女3 煉獄の虚神(下)」
を含めた「円環少女」への評価だと思ってくれぃ。やたらと凝った魔法体系の設定も魅力的だし、サドデレっぷりを発揮するメイゼルが素晴らしすぎでしたw <<ロリサドデレ>>は違うねww
野村美月「”文学少女”と繋がれた愚者」
「〜死にたがりの道化」()「〜飢え渇く幽霊」()に続く、”文学少女”三冊目。文学作品を下敷きにどんどん重くなっていくストーリーの中で、遠子先輩の強さが際立ってます。今年のベスト。


こんな感じかな。次点として冲方丁マルドゥック・ヴェロシティ」、伊坂幸太郎陽気なギャングが地球を回す」、西澤保彦「神のロジック 人間のマジック」、はやみねかおる「そして五人はいなくなる」、加納朋子「レインレイン・ボウ」の五作を名前だけ挙げておきます。次点がミステリばっかになってしまったw