加納朋子「コッペリア」

コッペリア (講談社文庫)

コッペリア (講談社文庫)

両親と幼い頃に死別し、養父母も事故で亡くし遺産はあるけど身寄りのない青年・了。子供の頃から人形に執着していた僕は、エキセントリックな人形師・如月まゆらの作る球体間接人形に強烈に惹かれていた。
裕福なパトロンの庇護の下、アングラ劇場で女優をする聖子。次の公演で人形の役をやることになった私は、叔母の勧めで如月まゆらの人形展を見に行った。そこで私が見たのは、私と瓜二つの人形だった。
了と聖子が出会い、二人の人生が交錯して・・・
加納朋子の初長編。かなり良かった。この書き方されてる時点でその系統のトリックは疑ってたけど、普通に騙されてました。頭悪っ!w ネタ自体も綺麗に決まってて酩酊感すら感じました。しかもそれをオチにするのではなくt(ry
ネタバレせずに語れそうにないので話題をずらそう。人形に執着する了が憬れた人形にそっくりな女性に恋をするという、暗い狂気を含んだ作品なのが意外なほど爽やかなラストがこの人らしいです。