2005年の5冊(小説)
今年読んだ本でよかったものを、順位をつけずに5冊選んでみよう。
・伊坂幸太郎「ラッシュライフ」→
トリックアートをモチーフにした作品で、トリック文学という言葉がぴったりだと思います。登場人物たちのしゃれた会話もポイント。
・乙一「GOTH」→
本格ミステリ大賞受賞作。森野の存在感が凄い。”僕”と森野の、「俺は他の人とは違うんだぜ」みたいな中二病を拡大解釈した*1キャラクタづけが面白いです。
・桜庭一樹「荒野の恋」→
初の一般向け(w「少女には向かない職業」もよかったけど、少女の感情を完璧に再現しているであろうこっちを選びました。恋愛を素敵なだけのものとせず、淡々と心理描写を綴る筆致はイラストつきの小説でありながら純文学の香りを漂わせてます。今年のベスト。
・桜坂洋「スラムオンライン」→
某美人作家のデビュー作みたくオンラインを魑魅魍魎のすむ魔界として扱うのではなく、現実世界と等価な世界として扱った非常に今風な青春小説。どうでもいいけど、この本を読んで以来オンラインゲームがやりたくてしょうがないんですよ。ダメ人間への第一歩、というか三段跳びに近い行為だとはわかってますが・・・
・米澤穂信「春季限定いちごタルト事件」→
米澤穂信が萌えを武器に日常の謎に殴りこみをかけてきた作品w 小山内さんが物凄く萌える(*´Д`*)。ハードカバーでも気にしない人なら「犬はどこだ→」もお勧め。
こんな感じかな。選外の注目作として、倉知淳「猫丸先輩の空論」・新城カズマ「サマー/タイム/トラベラー」・古橋秀之「ある日、爆弾がおちてきて」・若竹七海「死んでも治らない」・滝本竜彦「NHKにようこそ」を名前だけ挙げておきます。
*1:これは多かれ少なかれ、誰もが持つ感情だと思う