西澤保彦「異邦人」

異邦人 fusion (集英社文庫)

異邦人 fusion (集英社文庫)

23年前、父が殺される数日前にタイムスリップしてしまった主人公が事件を防ごうとするSFミステリ。どちらかというと、SFに重点が置かれてる感じ。
西澤保彦のこういう系統の話は、設定から真相が割かし容易に推定できちゃうのが欠点ではないでしょうか。今作も・・・。推理の過程で自己欺瞞に気づかされて「うへぇ」な描写も相変わらずだけど、それのみを突き詰めた「黄金色の祈り」ほどのインパクトはないですね。
厚くもないし(珍しく)読後感も悪くないのであっさり読めるのですが、長編にするにはちょっとネタが弱かったかもしれません。