グレゴリウス山田「竜と勇者と配達人」1巻

竜と勇者と配達人 1 (ヤングジャンプコミックスDIGITAL)

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はじめまして市民の皆様。わたくし、皇帝都市アイダツィヒの駅逓局に勤めておりますLV12の見習い郵便配達人、ハーフエルフの吉田と申します。魑魅魍魎が跋扈するこの世界でも人々は都市を築き領主様から独立していったと言われています。その理念ある都市の人々を支えるお役所である駅逓局の誇り高い使い走り、それが私というわけです。
なかなかおもしろかったです。勇者や魔法使いといった職業や、セーブポイントなどのRPG概念から発したファンタジー中世と、リアルな歴史の中にある中世をごちゃごちゃと混然した作品になります。歴史考証もかなりしっかりしていて、ドラゴンを退治する勇者パーティー捕鯨船に見立てて解体したあとの竜の処遇まで考察してます。そういったファンタジーよりの回があるかと思えば、中世のPaper(羊皮紙とか)事情に焦点を当てたリアル寄りの回があったり、振れ幅が大きいのが良いですね。RPG概念をメタなネタにしつつ歴史考察するというのはなかなか珍しい作品だと思います。冷蔵庫替わりにブラック企業に使われる氷の魔術師が面白かったです。
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