トネ・コーケン「スーパーカブ」

スーパーカブ【電子特別版】 (角川スニーカー文庫)

スーパーカブ【電子特別版】 (角川スニーカー文庫)

びっくりするくらい地味な作品でした。
父親が亡くなり、母親が失踪してほぼ天涯孤独となった地味な女子高生が、中古のスーパーカブを手に入れて少しずつ世界が広がっていく。この作品は、そこらへんにある少女旅行記みたいなアドベンチャーはありません。「ここではないどこか」を目指さないし、新しい世界も素晴らしい夜明けもやってきません。あるのは、バイクによって少しだけ広がった現実だけ。でもこの「少しだけ広がる」てのが大事なんですよね。日常が少しだけ便利になる、そして行こうと思えば冒険もできる。リアルな原付が書かれています。
でもこうやって行動半径が広がる話なら、自転車のほうが好みですけどね。
続きも読みます。