桐丘さな「大正処女御伽噺」1〜3巻

これはよいです。
大正の激動の時代、富豪の息子に生まれた珠彦は、交通事故で母親と右手の自由を失い、失望の中でひきこもり生活をしていた。冷酷な父親に役立たずと見捨てられ、すっかりペシミストとなっていた珠彦のもとに、借金のかたに父親に買われた少女、夕月が珠彦の世話をしに、そして珠彦の嫁になるためにやってきた。というお話。
特筆すべきは夕月の可愛さでしょう。突っ込みどころがないくらい完璧です。女神さまかよw と、普通にやればただの温いラブコメで終わりそうな作品なのですが、珠彦と夕月のきゃっきゃうふふと比例するように二人の状況はシビアです。関東大震災での生き別れ、父親との確執、そしてラスボスになるであろう父親の暗躍。前途は多難です。
大正という時代設定をうまく生かした作品だと思います。ただの温いラブコメにしないあたりがいいですね。