恩田陸「不連続の世界」

不連続の世界

不連続の世界

ミステリの短編集でした。恩田陸のミステリって、ベースが幻想小説にあるせいか雰囲気の描写が臨場感あるのに伏線の描写が弱くてラストが唐突に感じる作品が多いんですよ。本作もまさにそんな感じで、魅力的な謎と怪しい雰囲気にのまれてるうちに一点から別の一点への飛躍の結果で謎が解けてるような。そういう意味で、「不連続の世界」というタイトルは素晴らしく内容を表しているのでしょう。
要は離散の世界なんで、整数全体の集合が不連続なことを考えると珍しい話ではないですが。むしろ連続が定義される空間のほうが数学的には珍しいけどね。