森博嗣「フォグ・ハイダ」

たしかに、刀は人を殺す道具だ。これがなくては、侍というものは成り立たない。つまり、侍は人を殺すものか。それは、間違いではない。人を殺すというのは、己を生かすという選択から生じるものだ。戦わず、逃げればいい。逃げれば生きられる。しかし、その場合の生きるというのは、侍として生きるということではなくなっている。だが一方では、不利な時にはいち早く後退しろ、とも教えられた。よくわからない。
この巻でもゼンそのものに関して大きな動きはありませんでした。ゼンがゆっくりじっくりいろいろ考えて強敵も乗り越えて少しだけ成長する話でした。ゲストキャラも魅力的だし、この感じでゆるゆると続けるシリーズになるんでしょうか。それもいいのかもしれませんね。