長谷敏司「円環少女12 真なる悪鬼」

再演体系の<神>が降臨し魔法消去が弱まった、新しい秩序が支配する新しい世界。ここはもはや<地獄>ではない。神意の名の元に数多の犠牲を出しながら新しい世界を気づこうとする神音体系の聖騎士たちと対峙し、仁は(やっと)己の立つ位置を定めた。ここは地獄。誰もが己の正義に準じ、それゆえに決して分かり合えない世界。
すばらしい。
円環少女も次で終わりだそうで、めちゃくちゃクライマックスです。最終巻を前にして、女性陣がどんどん強くなってます。どんどん成長するメイゼル、やっと自分のことを決めたきづな、教義と違った神意を見つけたエレオノール、ラスボスにあたるアンジェッロッタ。
そんな中、ありえないくらい小物臭を漂わせてた仁が<真なる悪鬼>へと覚醒するシーンは、ライトノベルぽくてよかったです。これくらいしかライトノベルぽさはなくて、ひたすらヘヴィーな展開が続いていくけど。
最終巻はまだ読んでないけど、現時点でライトノベル史に残る傑作と呼ぶにふさわしい作品だと思います。