恩田陸「私の家では何も起こらない」

明言はされてないけど、おそらくイギリスの郊外、田舎の丘の上に立つ幽霊屋敷を舞台にした連作短編でした。時系列がバラバラで、ある話の出来事が別の話だとかつてあったおぞましい事件として幽霊の下敷きになっていたりします。それで円環構造になってたりすると面白いんだけど、そうはなっていないみたいです。
恩田陸の作品らしく、怪しく寂しい幽霊屋敷の雰囲気が素晴らしいですね。短編だからオチも気にならないし、雰囲気を楽しむ作品として洗練されています。