森博嗣「ブラッド・スクーパ」

多くの人を斬った。最後に自分と対峙したあの男の剣筋はすばやく、自分に勝ち目はなかった。自分が勝ったのは、単に相手が疲れたからだ。あの男は、雇われてるなら去れ、と自分に言った。なんという正論。大勢の人を斬った自分に正義はあったのか?正義とは何だ?あの男は自分の信じる正義を信じていた。どうして自分が生き残ったのか?今はわからない。
ヴォイド・シェイパ」()の続編になります。ゼンが大きなお屋敷の大きな事件に巻き込まれ、剣をふるい、いろいろ考える話でした。前作より戦闘シーンが多くなります。静かで、それでいて激しい戦闘シーンが素晴らしい作品なので、一気に読んじゃいました。
起承転結の承に当たる話で、シリーズを盛り上げるための作品という感じでした。次の巻では大きな動きがあるんじゃないかな。