横槍メンゴ「クズの本懐」1巻

安楽岡花火17歳、栗谷麦17歳。私たちは付き合っていることになっている。でも私たちには、お互いに別に好きな人がいる。麦と私はよく似ている。ろくでもないところが。私たちは、どちらも諦めきることができぬまま、互いのぬくもりにすがっていた。みたいな話。
これはいい。お互いに好きな相手の代用品として、心の寂しさを埋めるために体を重ねる様はまさしくクズと言って差し障りないけど、お互いにそれを自覚しているからこその廃退的で耽美的な雰囲気がたまりません。キスしてるだけなのに物凄くえちぃ。作品の雰囲気は「妄想少年観測少女」に近い感じです。
ちなみに、作品を貫く雰囲気はたまらないのですが、ストーリーテリングには若干疑問を持っています。下手に登場人物を増やすより、ひたすら花火(と麦)の内面描写をしていた方がいいような気がします。