野尻抱介「ふわふわの泉」
- 作者: 野尻抱介
- 出版社/メーカー: 早川書房
- 発売日: 2013/04/26
- メディア: Kindle版
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偶然の産物で手に入れた「ふわふわ」をめぐり、当時高校生だった泉の世界は物凄く変わっていくのですが、空気より軽い立方晶窒化炭素の商業的価値を考えたら社会の変わりようは納得できる範囲ではあります。そのレベルのイノベーションが起きたら、これくらい変わるよね、確かに。現実的に考えると、泉さんは特許と一緒にアメリカに行って起業しない限り日本社会に潰されるだけだとは思いますが、そんな夢のない話をしてもしょうがないか。奇跡のような物質が生成できたら、そしてそれを量産できたとしたら、人類*1はどう変わるかというのを考えるのがSFなのでしょう。あと、泉さんがぜんぜん楽をしてないのがなんだかおかしいです。たぶん本人的には、してもいい努力なんでしょう。
中盤以降の超絶展開はちょっと飛ばしすぎだとは思います。野尻抱介の小説は、わりと材料工学よりですね。
*1:not 社会