西澤保彦「聯愁殺」

一礼比梢絵(いちろいこずえ)は家路についていた。午後八時。会社からの帰り道で、梢絵は周囲に全く注意を払っていなかった。その結果、梢絵は見知らぬ男に襲撃され、生死の境をさまようことになる。しかも現場に落とされた男の手帳には、男が連続殺人事件の犯人であるという内容が記されていた。事件から4年が経ち、自分がなぜ襲われたのか納得がいかない梢絵は、恋謎会なるミステリ愛好会に調査を依頼した。
恋謎会のメンバーが推理合戦を繰り広げながら真相に迫っていく、団体安楽椅子探偵ものとでもいうべき物語でした。まあいつものお酒が入ってない酩酊推理ですね。ただ、探偵役が他人事として推理しているので、他作品ほど真相が痛々しく、読んでるこっちも飲まなきゃやってらんねぇよ、とまではなりませんでした。
最後に暴走する展開がこの人らしいですね。でももうちょっと真犯人をどこにでもいる一般人みたいな感じにして後味悪くしてもよかったかもしれません。
聯愁殺 (中公文庫)

聯愁殺 (中公文庫)