冲方丁「天地明察」
- 作者: 冲方丁
- 出版社/メーカー: 角川書店(角川グループパブリッシング)
- 発売日: 2012/05/18
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まあ読んだのは文庫版なんですが。kindleが出る前に文庫を買ってただけで、今から読むならkindle版をお勧めします。
で、内容。
幸福だった。春海はただひたすら同じ勝負を続けていたような気がする。気づけば四十六歳。振り返ることさえせずに駆け抜けてきた。そのせいか、勝負が始まったのが昨日のことのように思える。改暦の儀。かねてから語錨あきらかな現行の暦法を廃し、新たな歴を決める。春海の二十三年間の勝負が決着し、春海はこれまでの道を顧みた。
太平の江戸を舞台に、改暦という一大プロジェクトを推進する歴史小説でした。何度も挫折を繰り返しながら、天地の裏にある数理とひたすら格闘する春海の成長嘆ともいえる物語でした。停滞した変化のない泰平の世の中で、飽きを嫌い自分だけの戦いを求める春海と道昨の気持ちはよくわかります。
人生を賭けた熱いプロジェクト小説としてかなり面白かったです。歴史小説の文脈で見た時の位置づけなんかは、全然読んでないのでよくわかりません。