有川浩「図書館危機」

図書館危機 図書館戦争シリーズ (3) (角川文庫)

図書館危機 図書館戦争シリーズ (3) (角川文庫)

図書館戦争シリーズ第三弾。安定して面白いです。
検閲と図書館という対立を極限まで拡大した架空の組織の、組織内における序列を含めた組織の在り方がものすごくリアルで、感心します。すごいことだよ、これは。
それでも現実だと、検閲に対抗するのは図書館じゃなくて、googleあたりになるんだろうね。amazonはちょっと頼りない。そして検閲が攻撃するのは、図書ではなくネットとアニメ・漫画なのでしょう。嫌な世の中だ。
そういう意味じゃ、良化委員会がネットへの検閲を考慮してないのも意味不明だし、これだけネットが発達した社会で出版物だけ抑える検閲に、表現を委縮させる以上の意味なんてあるんですかね。
表現の委縮そのものが目的なのか。