機本伸司「究極のドグマ」

究極のドグマ―穂瑞沙羅華の課外活動 (ハルキ文庫)

究極のドグマ―穂瑞沙羅華の課外活動 (ハルキ文庫)

量子コンピューターを用いクライアントの依頼を解決する企業「ネオ・ピグマリオン」に就職した綿貫の仕事は、アドバイザーの沙羅華を説得することだった。量子コンピューターによる解析依頼の中から沙羅華が選んだ案件は、一匹の猫を探すことだった。
一匹の猫さがしから、遺伝子工学のうんちくとDNAが秘める“真理”を再び探す話になります。今回のパズルは遺伝子工学生命倫理でした。「神様のパズル」の続編になります。本作では、沙羅華のライバルにあたる天才を登場させることで、沙羅華を相対化して書いています。やはりこのシリーズは、沙羅華とその悩みをいかに書くかが焦点なのでしょう。
ものすごく魅力的な謎を提示しておいて、そんな平凡でいいのかよ!と突っ込みたくなる安易な答えが用意されてるのも過去作品と一緒でした。別にそれが悪いとは言わないけど、やっぱり俺は作者もまだ悩んでるような青春小説が好きだな・・・。