タカハシマコ「荒野の恋」1巻

荒野の恋(1) (KCデラックス なかよし)

荒野の恋(1) (KCデラックス なかよし)

桜庭一樹の同名小説の漫画化。「荒野の恋 第一部 bump of love」あるいは「荒野 ぼくの小さな黒猫ちゃん」の前半部分をカバーしています。
桜庭一樹の作品を漫画化するなら、タカハシマコ以外はあり得ないとすら思います。小説、漫画と分野こそ違えど、少女の不安定さを書かせたら抜群にうまい人たちなので。両者が共通して持つかわいらしさと危うさがいい感じです。ただもうちょっと言葉を落として、絵で表現してもいいかもしれません。原作小説のきれいな文章も捨てがたいですが、同じことやっても意味ないし、何よりタカハシマコが言葉ではなく表情で内面を描ける作家さんなので。
いずれにせよ、少女を描いた作品としてひとつの到達点にある作品なのは間違いないです。(もう一つの到達点は「少女素数」かな)