たなかのか「すみっこの空さん」1巻

すみっこの空さん(1) (ブレイドコミックス)

すみっこの空さん(1) (ブレイドコミックス)

やっぱりたなかのかのリリカルネガティブはすばらしいわ。
都会で絵本作家になるという夢破れ、田舎に帰ってきた僕と、亀のプラトン。なぜだか僕は、となりの家の女の子、空ちゃんに神さまと呼ばれて振り回されるのでした。空ちゃんとプラトンが哲学談義をします。
ストーリーラインとしては「よつばと」に近いんだけど、とーちゃんポジションの僕が大きな挫折を経験していて、明確にくたびれた大人として描写されてるのがポイントかなと。現実を知り、妥協と、打算と、その他もろもろで目が濁った周囲の人と、無知ゆえに純粋に世の中を思索する空ちゃんとの対比が見事です。

あのころの自分にいいたいよ
いくら憧れたって
どこに行ったって
ダメな自分はいっしょだよって

痛、痛、痛いって。
前作「タビと道連れ」のネガティブな部分を突き詰めたような作品なので、萌えだけを求める汚れた大人にはお勧めできませんw