山本弘「アリスへの決別」

アリスへの決別 (ハヤカワ文庫JA)

アリスへの決別 (ハヤカワ文庫JA)

SFの王道ともいうべき作品が集まった短編集です。
気に入ったのは、「地獄はここに」と表題作「アリスへの決別」の2作。どっちも、少女の描写に力が入ってますw 特筆すべきは大石まさるのカバーイラストが内容を表しまくってる表題作でしょう。アリス・リデルのヌードを撮影していたルイス・キャロルが語る、不条理な未来。非実在少女への想像上の愛すら許されなくない世界を描いたディストピアものなのですが、どこかで自民党を止めないと現実のものになってしまいそうな・・・。

彼女は繊細なガラス細工のような芸術作品なのだ。その美しさは純潔や無垢から発するものであり、穢したら最後、永遠に失われてしまう。僕はアリスの美を愛するがゆえに、彼女の純潔を守りたい。だから彼女が服を脱いでいる間、一メートル以内には決して近づかないようにしている。

へ、変態だー!!(AA略)