有川浩「図書館戦争」

図書館戦争 図書館戦争シリーズ (1) (角川文庫)

図書館戦争 図書館戦争シリーズ (1) (角川文庫)

図書館の自由が侵されるとき、我々は団結して、あくまで自由を守る――公序良俗を乱す表現を取り締まるべく成立施行されたメディア良化法と、事実上の検閲となる良化委員会に対抗できる、法的根拠を持つ唯一の公的機関は図書館であった。検閲における良化委員会の示威行為はエスカレートし、それに伴い図書館の防衛力と機動力も向上していった。今では、両組織の抗争そのものが超法規的組織となり、司法や警察の介入を受けることなく、銃撃戦が繰り広げられていた。
これは面白いです。
かつて女子高生だった時に、検閲から自分と本を守ってくれた図書隊員にあこがれ、検閲に対抗しメディアを守る図書防衛隊に女性として初めて採用された郁。教官の堂上と小競り合いを繰り返しながらも、憧れの存在に近づくために訓練を続けていた。という構成なのですが、軍事力を持つ過剰な検閲と自衛のための防衛力を持つ図書館というネタをよくここまでふくらましたもんです。PTAと図書館との討論会に、規制に反対する子供たちに意見を発表させる話が特によかったです。
某国首都のきな臭い条例ができる前に書かれた本なのか・・・。