森見登美彦「有頂天家族」

有頂天家族 (幻冬舎文庫)

有頂天家族 (幻冬舎文庫)

人間は街に暮し、狸は地を這い、天狗は天空を飛翔する。平安遷都この方続く、人間と狸と天狗の三つ巴。私はいわゆる狸であるが、ただ一回の狸であることを潔しとせず、天狗に憧れて人間をまねるのも大好きだ。したがってわが日常はめまぐるしく、退屈している暇がない。
狸と天狗が暗躍する京都を舞台に、面白いことにしか興味がない狸一族の三男坊を主人公にして、楽しいイベントを散りばめた狸ファンタジー風家族小説。尻尾を出してうごうごする毛玉がたいそうかわいらしく、大変楽しい小説でした。
「阿呆の血のしからむるところ」で楽しく過ごす主人公狸・総三郎が大変いいですw「面白きことはよきことなり」そうよね。