米澤穂信「インシテミル」

インシテミル (文春文庫)

インシテミル (文春文庫)

高額の時給に惹かれて集まった12人、ある者は金に惹かれ、ある者は冷やかし気分で、空調や食事を完備した地下の施設に閉じ込められデスゲームが始まった。みたいな話。わかりやすいくらいのクローズドサークルものです。
ミステリというより青春小説の書き手として扱われる米澤穂信が、ミステリに「淫してみた」作品なのでしょう。中盤以降にミステリマニアへの冷や水を浴びせかけるような展開があるのですが、そこからまたミステリの文法に戻って解決させるあたりが面白かったです。