機本伸司「スペースプローブ」

スペースプローブ (ハヤカワ文庫JA)

スペースプローブ (ハヤカワ文庫JA)

えーと、この人の作品で一番ダメかも。
地球に接近する彗星の調査に向かった無人探査艇“こめっと”が、謎のメッセージと共に消息を絶った。そんな中、有人月面着陸計画に臨む曽我部臣太と仲間たちは、彗星の軌道上にニュートリノを発する謎の物体があることを発見し、月面着陸計画を無視して彗星軌道まで飛ぶ裏ミッションを企てることに。というお話。
人類の救済とか、神とか、テーマ的には「メシアの処方箋」に近い作品になります。この人の作品、とくに個人の内面に焦点をあてる「神様の〜」以外の作品は、利害関係が複雑に考察する大人数で事業を進めていく、プロジェクト小説としてのおもしろさがあると思っているのですが、・・・裏ミッションはちょっと酷いんじゃないかな。
あらゆる計画がずさんで、結局ご都合主義だし、東条人物も自分勝手な奴ばかりだし・・・この人の本の中で一番ダメだと思います。