石持浅海「人柱はミイラと出会う」

人柱はミイラと出会う (新潮文庫)

人柱はミイラと出会う (新潮文庫)

「人柱」「鷹匠」「お歯黒」といった民俗的な風習が残った架空の日本を舞台に、アメリカ人の留学生・リリーが不思議な光景に驚いて、同居人の慶子がそれを説明してるうちに、人柱職人の東郷が謎を解明する、という形式のミステリ。すっかり廃れてしまった和の風習を現代によみがえらせる手腕が面白いです。
システムとして気に入ったのは「参勤交代」かな。知事がお供を連れて、2ヶ月に一度東京に来て官僚と対峙する、というシステムとして書かれてるんだけど、現実世界でも似たような(ry。そんなシステムがいまだにあるから日本は(ry。
作品とはまったく関係なく、地方分権とか夢のまた夢だな、という暗い気持ちになったりしました。あ、作品は普通に面白かったですよ。