三雲岳斗「少女ノイズ」

少女ノイズ (光文社文庫)

少女ノイズ (光文社文庫)

皆瀬の紹介で始めた塾講師のバイト。個人指導を売りにする塾で、抜群の成績と問題のある行動で名をはせる斎宮瞑とであった。講義開始時間をすぎたビルの屋上、白く細い腕を夏服の袖口からだらりと伸ばし、裸足で、制服のスカーフを外し、プレイヤーにつながないままの無骨なヘッドホンをつけて横たわる彼女は、まるで死体のように美しく、僕の心を奪っていた。みたいな感じ。
5編の短編ミステリを書きつつ、ボーイミーツガールの青春小説にしてる感じです。ミステリ部分をどうでもいいと評すのはさすがに無茶苦茶すぎるとは思うけどw しかし、セーラー服の美しい少女が、シルバーの無骨なヘッドホンをつけて横たわっている、という二人の出会いの場面はかなりインパクトあります。
死体のように美しい少女というキーワードから「GOTH」みたいな話になるのかと思ったけど、あそこまでぶっ飛んだ作品じゃなかったです。でもジャケ買いや雰囲気買いに応えられる素晴らしい作品だと思います。ヘッドホン少女って絵になるよねw