冲方丁「テスタメントシュピーゲル」

スプライトシュピーゲル」「オイレンシュピーゲル」を統合した作品で、シュピーゲルプロジェクトの完結編にして冲方丁の最後のライトノベルだそうです。たぶんこれは文字通りの意味で、またマルドゥックシリーズのように魂を削る作業を始めるのでしょう。こんなにヘヴィな小説をライトノベルと証するのは若干の違和感を感じますがw
内容のほうは、MPBの三人の現在・過去・未来への対峙と一つの大きな事件、そこにMSS側の三人が絡んでくるという感じでした。個人的にスプライト組のほうが好きだから、MSS視点が全く無いのはちょっと不満だったりします。

ドアは開くことができる――開こうと思えば/ただ知りたかった/試したかった/選びたかった――仕方なくそうするのではなく自分の意思でここにいるということ。
それで十分だった。

涼月の話が、ここ最近俺が考えてたこととぴったり一致しててびっくりしました。
そうだよなぁ。他に居場所が無いからじゃなくて、自分で選んで“ここ”にいるって思っていたいなぁ・・・。