新城カズマ「15×24 link one」「15×24 link two」

目が覚める。2005年12月31日、七時五十分ちょっと前。最高に良い気分だ。なぜならぼくは、今日死ぬことになるのだから。
17歳の少年・徳永順はネットで知り合った少女<17>と心中することを決意する。結構の朝、ちょっとしたトラブルから遺書メールを誤送信されてしまい、彼の自殺を止めようと、あるいは彼の自殺を見届けようと、あるいは・・・。大晦日の東京を舞台に、自殺を決意した一人の少年とたくさんの人々の物語が始まった。という感じ。
この二冊だけでも相当な勢いで物語が転がっていきますが、全六巻らしいので最後にはどうなるか想像もつきません。ここまででいろいろな場面でいろいろな人物が、情報が、行動と結果が、意外なところでお互いに影響を与え合いクロスしまくっていて面白いです。もともとこの手の作品はかなり好きなのですが、恩田陸「ドミノ()」を圧倒的に超えるボリュームに期待できそうです。
まだどう転ぶかぜんぜんわからないけど、現時点で今年のベスト候補だと思います。