東野圭吾「赤い指」

赤い指 (講談社文庫)

赤い指 (講談社文庫)

妻からの電話で憂鬱な気持ちと疲れた体を携えて帰宅した前原は、とんでもないものに出迎えられた。中学生になる息子が殺した少女の死体が庭に放置されていた。息子をかばうために死体を処分した前原は、さらに悪魔に魂を売り渡したような計画を実行に移す。それは、認知症の母親に罪をかぶせるというものだった。という感じ。倒叙ものなのでネタバレじゃないです。
犯人の内面描写を全くせずにわかりやすく暴走するオタクとかネットの闇にして、現代社会の病理(笑)をネタにさらっと書いたという印象の作品でした。つまらないわけじゃないし、普通に面白いんだけど、心に響く傑作じゃなかったかな。