壁井ユカコ「No Call No Life」
- 作者: 壁井ユカコ
- 出版社/メーカー: 角川書店(角川グループパブリッシング)
- 発売日: 2009/07/25
- メディア: 文庫
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ここまでだと、高校最後の夏を、永遠に終わらないように思える今を、楽しそうに刹那的に過ごすという恋愛小説でしかないけど、夏が空けてからは怒涛の展開が待ってたりします。いつまでも子どもでいられるわけがなくて、それでも有海も春川も大人にはなれなくて、周囲の圧力はどんどん強まっていって・・・。という展開からやや唐突とも思える衝撃的なラストまで、重苦しい雰囲気が漂う終盤は一見の価値有りです。
それはそれとして、有海や春川の性格設定は、十台の少年少女の不安定さがどうのというよりメンヘラといっていいレベルのような気がします。別にこの作品が嫌いなわけじゃないけど、同系統の作品では桜庭一樹の作品群のほうが恋愛色が強くなくて好きです。